「こんにちは、貴女が角女ね。棺桶男が話していたわ。ふふ、とっても可愛いわね。」



角女の声がしたので、12号はそちらへ向かってみた。
知らない間に、彼女は外界メンバーズに仲間入りしそうだった。



「よう!・・・・って、何持ってやがんデスか!?」

「あら、気づかなかったの?私の『大切な人』よ。」

「そりゃ〜お前、俺は人の目を見て話すタイプだから・・・・・。
 よぉ、角ちゃんも元気かい?」


「ちょっと、角ちゃんまた胸成長したんじゃねぇデスk「うわああああああああああ!!!!」」


角女の口を慌ててふさぐ棺桶男。
12号は心の中で「何回目だこれ・・・・」とツッコんでいた。



「12号じゃない!こんにちは。」


12号の名前を、は棺桶男から教わったのであろう。
教えていないがすぐに呼んでくれるようになった。


「今日も行くの?頑張ってね!」

「うん、ありがとう。も異形に襲われないように気をつけてね。」


・・・・・代わりに角女が言ってくれたようだ。


はそれを聞いて嬉しそうに微笑んだ。
心なしか、顔が赤いのは照れているからか。

12号が立ち去る直前に角女が再び口を開いた。


「いってくるね、角女。・・・・・・・・・・・・・。」

「ちょっと!!!俺は無視しやがるんデスか!!??」






***




、君のそのアイテムなかなか珍しいね〜。」


物の者がの持つ「彼」を指差した。
彼女はムッと眉をひそめた。


「アイテムじゃないわよ、失礼ね〜!私の大切な人なのよ!」

「ご、ごめんよ・・・・怒らすつもりじゃなかったんだ・・・・」

「ふふ、分かってくれればいいのよ。彼も怒ってないし、許してあげるわ。」


彼女は物の者をなでた。もちろん「彼」を片手でしっかり離さなかったが。
物の者が気持ちよさそうに目を細める。


「君もだいぶ、ここに慣れてきたみたいだね。」

「ええ、皆親切で優しいわ。・・・・・首の者はなかなか付き合いに困るけれどね。」


はそう小声で言いながら苦笑した。

後方でまた「うおおおおおおん」と首の者の声がした。


「神経塔の中にも、僕達みたいな人がいっぱいいるって噂だよ?」

「そうなの?でも、いくの怖いわ・・・・・。異形だらけなんでしょう?」

「うん、まぁね。」

「・・・・・・・・・12号は、偉いわね。
 だって、あんな怖いところに一人でいくんだもの。」


は切ない面持ちで神経塔を眺めた。
高く聳え立つ「それ」の中に、彼はいる。


「・・・・・・ひとりで、偉いわね。」


そういいながら、は「大切な人」をなでた。



しばらくして、袋の者にも会いに行こうと思った。
物の者は「わぁ!珍しいアイテムが届いた!」と喜んでいる。

移動途中、首の者が「心臓の種はやらんぞ!!」と睨んできたので苦笑いをする。



「こんにちは、袋の者。今日も素敵ね。「彼」もそう思ってるわよ。」


「大切な人」をみて名前は微笑んだ。
袋の者はじっとそれを見ている。


「・・・・・・ヘンリーはこう言った。
 『
我に自由を与えよ。そうでなければ死を与えよ』」


「え・・・・?袋の者。それってどういうこと?」


「・・・・・。」



袋の者はもう何も言わず、「大切な人」だけをみていた。










その手にあるを、