「いい天気だね〜!」


私はヒバードに話しかけながら住宅地を歩いている。
今はヒバードと一緒に散歩をしています。
お兄ちゃんはパトロールだそうです。(ア●パ●マンみたいだよね)


「みーどーりーたなーびくー並盛のー♪」

「!ちょっとどこ行くの!?ヒバードー!!!!!」


そしてなぜか、ヒバードまでも勝手にパトロールをはじめたようです。


ぽつんと残された私を、風が包み込む感覚。


「・・・・って、探しに行かなくちゃ!
 もしかしたら焼き鳥にして食べちゃう輩がいるかもしれないし・・・・!」


多分いない。




***







と、いうことで20分ほど空を見ています。
ヒバードは、地面やアスファルトに咲く花の側にはいないと思ったから。
きっと塀の上や電信柱だと目星をつけてます。


(でも流石に首が痛い・・・・・・・)



「はひ、空に何か探し物ですか?」


(空に探し物・・・・・?ポエマー!?)


そう思ってふと顔を地上に戻すと、ポニーテールの可愛らしい女の子がいた。
見たことのない制服。どこのひとだろう・・・・・・?



「コンタクトですか?一緒に探しますよ!!」

「(コンタクト探すのに空ってみるの!?)
 えと・・・・・鳥がいなくなっちゃって・・・・」


「はひー!小鳥さんですか!!それはベリー大変ですね!」


少し変わった女の子だけれど、一緒に探してくれるみたい。やさしい子だな・・・・



「ありがとうございます。
 黄色くて小さい小鳥なんで、空見ると分かりやすいかと・・・・」

「はい!一緒に空を見ながら探しましょう!!
 三浦ハルっていいます!!」


その女の子、ハルちゃんはニッコリ笑った。
笑顔の似合う女の子だ。



「あ、私は雲雀といいます。」

「はひ?雲雀・・・・・・どこかで聞いたことがあるような・・・・・・
 ・・・・まぁ、いいです!!よろしくお願いしますね、ちゃん!」






***





そんなこんなで、私はハルちゃんと並盛を一周しながらヒバードを探しました。
あと少しで二周目にはいりそう・・・・・・。


「はひ〜・・・・空が飛べたらいいんですが・・・・・」

「そうだねー・・・・」



疲れたので二人でだらだら歩いて、もと来た道を再び通過。
空をぼーっと見ていたハルちゃんの目が突然輝いた。



ちゃんに翼が生えたら、まさにエンジェルですね!!!」

「え・・・・いやいや!それはハルちゃんだよ!」

「駄目です!ハルはそんなエンジェルを捕まえる悪の組織【TTT】なんです!」

          ・  ・   ・
「【TTT】?・・・・天使捕まえ隊・・・とか?」

「ピンポーン!!正解ですー!!」


あはは・・・・・と笑うことしか出来ない私。




「あ!ちゃん!!・・・・・・・と、ハル。」


ふと、向こうの方から声がした。
(誰だろう?)と、私が上に向けていた顔を下げる前に、ハルちゃんの声が響いた。


「はひー!!ツ〜ナさぁ〜ん!!!!」

「さ、沢田君・・・・・」


ハルちゃんがダッシュで沢田君に駆け寄る。
沢田君はなにやら焦っている。


ちゃん!紹介しますね〜!
 ハルの未来の夫、ツナさんですーーーー!!」




ズキン





(・・・・・え?)



思わず自分の胸のあたりを掴む。
物凄く変な気持ち。



「ハ、ハル・・・・ッ!またそんなこと・・・・・」

「え〜いいじゃないですか〜!」

ちゃん・・!違うんだこれは・・・・!!」

「はひ?お二人は知り合いですか?」


そこで私は我に帰った。
そして同時に、ここに居たくなくなった。
逃げたい。どこか遠くへ走りたい。



「あ、う、うんそうなの!クラスメイトなんだよ?」

「そうなんですか!じゃぁ・・・・・」




「十代目!こんなところで会うなんて奇遇ですね!!!」


突然、3人じゃない声がした。
銀色の髪が太陽の光でキラキラしている、獄寺君。

獄寺君は沢田君の周りの私達を見て、一瞬動きを止めた。
ほんの一瞬。

すると突然ハルちゃんの腕を掴んだ。

「はひ!!何するんですか獄寺さん!!」

「うるせぇ!・・・アホ牛が呼んでたぞ!」

「?ランボちゃんがですか?どうしてまた・・・・」

「しらねぇよ!おら行くぞ!!
 十代目失礼します!!あとも。」


まるで嵐のように突然来て突然いなくなった。
文頭と同じ。
ぽつんと残された私達を、風が包み込む感覚。



〜!」

「あ、ヒバード!どこ行ってたの?」

「え!?ヒバードぉぉぉ!?」

「ハルちゃんと探してたんだよ!あ、私帰るね!」




「え!あ、ちょっとまって!!」




沢田君に突然腕を掴まれた。


ドキン



(・・・・あれ?)

さっきとは違うけれど、胸が苦しい。
心拍数が上がっているからかな?顔が熱い。


「あの、ハルとはそういう関係じゃないから・・・・。」

ハル・・・・・か。
(呼び方が親しいなんて、なんで思ってしまうんだろう。)


「そう・・・・なんだ。仲いいから勘違いしちゃった!あはは・・!」



うまく笑えない。笑いたいのに笑えない・・・・。


嫌だ、こんなの私じゃない。



「ごめんね!急いでるから・・・!」









走りたい。思い切り。

何もかも忘れて、何もかも感じないくらい。












帰り道、偶然お兄ちゃんに会った。
お兄ちゃんは汗だくの私を見て心配したけれど
「突然走りたくなって・・・・」といったら、
目を丸くして尋ねたの。










にどうしたの?

(私にも分からないの。)
(この胸の苦しさは、きっと思い切り走ったから、)







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補足説明

獄寺はの感情を察してハルを連れて行きました^^;
さすが恋のキューピット隊www
ランボ〜とかのは嘘なので、「なんなんですか獄寺さんは!!」ってハルは怒っちゃうんです。