「俺、いつかはこいつと離れ離れになるの、分かってるんだ。」
「突然どうしたの?13号。」
私は、横で寝ている愛弟をなでている13号に言った。
どこか寂しげな雰囲気をまとっている。
「2つの体を1つの心臓が動かしているんだぜ?必ずどちらかは死ぬ。」
「・・・・・・・・。」
私は何もいえなかった。
「そんなことない」とか、嘘なんか通じないのだ、兄のほうには。
(それに、嘘を言うのも辛い。)
「そのときは、俺・・・死んでもいいって思ってる。
コイツを殺したって、一生後悔するよりかはましだ。」
「それは、12号も同じでしょう?」
「でも・・・・・・死ぬなら俺が、いい。死を恐れることもないしな。」
(・・・・この子、本当に私より年下なのかしら。)
私はこの双子の世話係を1号様に頼まれているのだ。
彼等は10歳前半。私はそんな若くない。
なのに、なんでこんなに対等(寧ろ私が下)なんだ。
「そしたら、世話係のあんたともお別れだな、。」
「・・・・・・そうね。」
「あー・・・・それは心残りかも。」
「?」
「この世界にを残すのかぁ・・・・この先不安だ」
「どういう意味よ。」
「・・・・・・別にー。」
12号が眠りながら13号の服のすそを掴んだ。
13号は一瞬驚いたが、優しく微笑んでそのままにしてあげた。
そして、13号はゆっくり目を閉じる。
そろそろ「交代」のようだ。
(いかないで。もう少しだけ、側にいてよ。)
(死ぬっていうのなら、)
(それまでの時間を・・・・・・・・)
「あーあ、死ぬ覚悟が薄れちまったじゃん。
を残して死にたくないって、思ちゃったじゃんか、馬鹿。」
え?
「13号・・・・・・?」
「あ・・・・・おはよう?。」
「おはよう、12号。よく眠れた?」
「・・・・、切ない顔してる。お兄ちゃんと何かあった?」
せめてこの時間を。
(彼は死を決意した。)
(残された時間はもう無い)
(止める事の出来ない私は、どうすればいいの?)