もうだめだ・・・・・

怖いと思われないようにしてたのに。

一番まずい所を

一番仲良くなりたい沢田君に見られて・・・・・


(きっと、明日になったらもっと怖がられてるんだ)



***








「・・・・・・・・。」


頭がだいぶ軽くなってきたのは、すでに夜中の話だ。
薬が効いたのかな・・・・・。明日は学校に行けそうだ。
風紀の仕事も残っているし、早く学校行きたい。

とりあえず、何か飲みたいからリビングに行った。
途中、 の部屋の前で思わず足を止めてしまった。

彼女のすすり泣く声が聞こえたからだ。
夕方に慌てて帰ってきて、そのまま部屋に閉じこもっていたのだが・・・・・・。

僕がいない間に、何かあったのか?


「・・・・・ ?」
「・・・・・・・。」

そっと呼んだが返事が無い。


「・・・・入るよ。」


彼女の返事無しに、僕は彼女の部屋に入った。
真っ暗だった。

月明かりに照らされた
部屋の隅に、シーツをかぶった はいた。
僕はそっとそれに近づき、優しくなでた。

「・・・・・顔、だして?」
「・・・・・・・。」


は昔から素直だね。
僕が頼むと、ゆるゆるとシーツから頭を出した。
目が真っ赤に腫れちゃって、すごく痛々しかった。

まったく、
僕の大切な妹をこんなにしたの、誰?



「どうして泣いてるの?」
「・・・・かな、しくなって・・・・。」
「・・・・?」
「仲良くなりたいのに・・・なれなくって・・・」


・・・・・。どうしよう。
僕にはその答えは出せない・・・・。

(群れるの、嫌だし。)

でも、言えることといったら・・・・・



「過去は振り返っちゃ駄目だよ。もう過ぎちゃったんだから。
 それより、明日からまた仕切りなおししなよ。」


その言葉に は一瞬動きを止め、
しばらくしてから、ほんのり笑顔になった。(・・・・・かわいい)


「・・・うん、そうだね。ありがとうお兄ちゃん。」
「・・・うん。」


僕は彼女の頭をなでた。
それに、くすぐったそうに笑う
・・・・なんでそんなに可愛いかなぁ。(僕、シスコンみたいじゃないか)



「・・・・で、その目で学校行くの?」
「あ。」
「ふぅ・・・・。目の腫れが良くなるまで、応接室に待機。」
「あ、ありがとうお兄ちゃん・・・・!」





何?僕が妹に甘いって?
いいでしょ。


だって、たったひとりの大切な妹なんだ。








だから、



















が泣くと、僕まで悲しくなっちゃう)
(昔からずっと一緒の妹、)
(だからすごく大切)












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