全国どこでも今日は土曜日。

いい天気だし、散歩でもしようかな。




***



お兄ちゃんの言うとおりだと思った。
過ぎ去った過去は考えないほうがいい。

(今出来ることを考えなくちゃ・・・・・!!)


と、いうことで・・・・・・・今出来ることを探しています、雲雀 です。
さぁ、だれか私に助けを求めてこないかな?


「びえぇぇぇぇえぇぇえぇぇん!!!!!!」
「!!??」


ワォ!!なんというタイミング!ジェシカ!!私やったよ!
今日はテンション
がおかしいけど、こちとら頑張ってるのよ!!!

ともかく泣き声のするほうへ行くことにしました。



「ランボさんの、ランボさんのがぁ〜〜〜〜!!!」


声の主は、まだまだ小さいモジャモジャ頭の男の子でした。
牛みたいな子です。いえ、太ってるっていうわけじゃなくて。


「どうしたの?」
「ぐすっ・・・・ランボさんのやつを、鳥が
あそこの巣にもってった!!!」
「ランボさんのやつ・・・って、何かな?」
「んとね、んーとね・・・・・わっかなの!」
(わっか・・・・・・指輪かな?)


未だに泣き止まないモジャモジャ少年。(どんなネーミングセンスだよ!)
ここは私の出番だね!


「大丈夫だよ?私に任せて!」
「?・・・・ほんと?」
「うん、だからここで待っててね?」
「うん!ランボさんじっと待ってるもんね!!!」

途端に元気になったモジャモジャ少年。うん、若々しいな!

目的の巣は目の前の木の上のほうにある。
木登りくらい、小学生の時に何回か経験あるし大丈夫!!


「えよっこらしょ」



最悪だ。女の子かどうか疑われるんじゃないかな?
もういいや!怖がられない分こういうイメージもたれるほうがましだもん!!
今日スカートじゃなくて良かった。ズボンだからこんなに登れる。


「リング・・・・あった!」


小さな巣の真ん中に、きらりと光る指輪を見つけた。
私は安心してそれを手に取る・・・・


バサバサッ  バサッ

「!ちょ、なに!!」


耳元で鳥の羽の音がする。主が帰ってきたのかな。
リングを手に取った瞬間、私に何度も攻撃してくる。



「な、ちょ、これはランボくん、のだか、
・・・・・・・・ら・・・・!!」












バキッ








ドサッ












(え・・・・・・・・・)





一瞬すぎて、頭が追いつけないや。













あ あ、だからこうなるのか


(運よくふわふわな草の上に落ちたけれど、)
(あしが、ありえないくらい痛い。)








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