「ええと、貴女が、雲雀 さんですね。」
「ええ・・・・・はい。」
「こ、個人的な書類を渡しますので、応接室に行ってください。」


なぜだろう?目の前の先生は私と目を合わせない。
怖がっているのかな?

『私怖くないですよ?』と、アピールするようにニコッと笑ったら、
逆にビビられてしまった。そんなぁ・・・・







***






(ここが応接室・・・・・・・。)

またもや迷って30分後、ようやくここまでたどり着けた。
この中に、雲雀恭弥・・・・・・お兄ちゃんがいるんだ。
何してるかな?風紀委員長なんだよね?お仕事中かな?

・・・・・・ともかく、ノックだ!ノックをしよう!!!


トントン。


「・・・・・・・・・何?」


あからさまに不機嫌な声が聞こえてきた。
どうしたお兄ちゃん。何があった。


「お兄ちゃん・・・・わたs「入っていいよ」」


・・・・・って、早っ!!反応が遅れちゃったよ!!
まぁ、早いに越したことは無いけどね。

私はゆっくり扉を開けた。



放課後の空、茜色の光が部屋に差し込んでいる。
高価そうなソファがあって、かっこいい机があって・・・・

昔より大分大人な、お兄ちゃんがいた。


「やぁ、 。ずっと待ってたよ。
 心配したんだからね、なかなか来ないから。」


そういいながら、優しく微笑むお兄ちゃん。
逆光でよく分からなかった顔が少しはっきりすると、
私はあることに気づいた。


「お兄ちゃん・・・・・寝てた?」
「!流石だ、よく分かったね。」


いや、服のしわの痕がしっかりおでこについちゃってるし。
最強の風紀委員長の顔が台無しだよ。


「どうだった?イギリス留学は。」
「すごく楽しかったよ、親友も出来たし。」(←ジェシカの事)
「・・・・・ 、向こうで群れてたりした?」
「・・・・・い、いやぁ・・・・群れて・・・・ない、よ?」


わぁぁぁ、私の馬鹿馬鹿馬鹿!!!焦りすぎだし!!!
ごめんなさいお兄ちゃんかなり群れてました!!
「東洋人だ!!」と言われながら、毎日もみくちゃされてました!


「ま、向こうでは黒髪は珍しいのかもしれないね。
 仕方ないね。」


あれ、バレてるじゃん。群れてるって。
・・・お兄ちゃんには勝てないなぁ。



「あと、明日からだっけ?入学。」
「うん。」
「クラス、2年A組だよ。明日担任に教室案内させるから。」
「ありがとう!」
「それと、これ・・・・・・」


お兄ちゃんは一瞬で制服を取り出した。
・・・・・どこから取り出した?

「これ私が着るの?」
「そうだよ。・・・・本当はセーラー服とかにしようかt「何で!?」
 ・・・・・・だって、昔の制服だからね。」


そういえば今更だけど、お兄ちゃんは学ランを着ている。
ちょっと前にあったリーゼント軍団(このネーミング気に入った)もそうだし。
・・・・・でも、さっき会ったツンツン頭の(失礼だ)生徒さんは違ったし・・・・・・。


「お兄ちゃんは、昔の制服きてるの?」
「まあね。伝統を守るのが風紀の仕事だし。」
「あの・・・・・・今聞くのもなんだけど、なんで風紀委員ってリーゼントの人が多いの?」
「ああ、あれね。・・・・・
伝統を守るのが風紀の仕事だからだよ。


(リーゼントは伝統なんですか!!?)


「あと 、これあげる。」

お兄ちゃんは私の手にそっと何かを置いた。
ちょっと冷たい感触・・・・・・これって・・・・

「携帯電話・・・・・!!!!」
「あると何かと便利でしょ。並盛中転校記念だから、大切にしてよね。」
「お兄ちゃんありがとう!!」


「あ、でも着信メロディと待受けは固定されてるから。」




その言葉に携帯を開く。
・・・・・・なんでお兄ちゃんが待受けに??
てか、誰が撮ったのかな??

(しかも変更不可能って・・・・・・・・な、なんですかその機能は!?)


「あの、お兄ちゃんちなみに着メロは・・・・・?」
「僕の好きな歌だよ、 も気に入るだろうね。

 今鳴らしてあげる。


そういいながら、ものすごい速さでボタンを押すお兄ちゃん。
しばらくして、



み〜〜ど〜り〜たな〜びく〜〜な〜み〜も〜りの〜〜〜〜〜♪














好きな 歌、君が代?!

(・・・・・・・。・・・・違うよ、並盛中学校の校歌だよ。)
(ええぇぇ!?これが流れるの!?)
(嬉しいでしょう?)
(・・・・・・わーい・・・。)













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