「お兄ちゃん、これはどういうことかな?」
「・・・・・・・・。」
ディーノさんと再会し、話に花を咲かせていたところに鬼の形相で来たお兄ちゃん。
その後、しばらく機嫌の悪かったお兄ちゃん。
そして、
「・・・・なんか、ムカついてたから。」
今まさに、風呂を壊したお兄ちゃん。
折れた水道管から、激しい水音が聞こえる。
びしょびしょのお兄ちゃんはトンファーを握りしめている。
・・・・・風呂掃除、今日は私がすればよかったのかな・・・・?
***
運よくまだ夕方なので、私は初めての銭湯に行くことにした。
お風呂セットと着替えを持って、私は家を出た。
ドアのほうで、先ほどまで水道会社に電話していたお兄ちゃんが、受話器を持ったままたっている。
「・・・・・・・
、ごめんね。わざわざ出かけさせちゃって。」
「いいよ、気にしてないし!お兄ちゃんも反省してるもん!
お兄ちゃんは、お風呂どうするの?」
「水道業者に直してもらってから、確認ついでに入るから。
は、夜遅くなるといけないから銭湯ね?」
「はーい。いってきます!」
受話器を持ちながら、私が見えなくなるまで外に出て動かないお兄ちゃん。
・・・・・これが、泣く子も黙る風紀委員長なのかな?
「ええっ!?・・・・なんで休みなの?」
やっとの事でついた銭湯なのに、目の前には「整備日のため休み」
ああ・・・・・・どうしよう。
でも、今戻るとお兄ちゃんが更に落ち込むし・・(らしくもない「ごめんね」連発だよきっと)
「あ、そっか。黒曜の銭湯行けばいいんだ!」
隣町にも銭湯があったはず。
まだ夕方だし、いっても大丈夫だよね?
私の足は、黒曜のほうへ向かい始めた。
***
「初めてだなぁ・・・・ここにくるの。」
そういいながら着替えを始める。
自分のかごにぽいぽい服をいれ、風呂セットをもち中へ入る。
そして大浴場に入り、適当な椅子に座り、蛇口をひねろうとした。
「・・・・そこ、だめ。」
「へ??」
その声に顔を上げると、横に年の近そうな女の子がいた。
おとなしそうな女の子だ。
(・・・・・でも、髪型が・・・・なんか・・・・・。)
例えにくい・・・・・。パイナップルが一番無難かな・・・・・?
「そこ、壊れてて水しか出ないの。」
「そうだっんだ!ありがとう!!えーと・・・・・」
「クローム。・・・・・・クローム髑髏。」
変わった名前だなぁと思いながらも、世の中いろんな人がいると世界の広さに納得し
「私は雲雀
、よろしくね?」と笑顔で返す。
すると彼女は目を丸くした。どうしたのかな?
「・・・・・・どうかした?」
「・・・・・お礼言われる事、あんまりないから・・・・。」
そういってやんわり笑うクローム。
「可愛いな」なんておもっちゃったよ。
私も思わずへらっと笑ってしまった。(なんでへらっとしちゃったんだろう・・・恥ずかしい)
「・・・・・・可愛い。」
「?何か言ったクローム?」
「ううん・・・・何も言ってない。」
「・・・?そっか!」
その後、私達は色んな話をした。
ガムが好きなお友達や、ヨーヨーの上手なお友達の事。
あと、命の恩人の話を聞いた。
風呂から上がり、着替えながらもクロームはたくさんのことを話してくれた。
何でも、「こういう話を出来る友達がいない」との事だ。
「
の家、どこ?」
「並盛にあるよ?クロームは近所?」
「うん・・・・。じゃあ、
は並盛からここまできたんだね。」
「ま、まぁ色々あって・・・・・ね?」
「?」
うん、いろいろあった・・・・・・。
お兄ちゃん、今頃何やっているのかな・・・・・・・?
「・・・・・・また、会える?」
ふと、クロームが静かに尋ねてきた。
「【会えるか】とかじゃなくて・・・・・・【会おう】!」
その言葉に、彼女は目を見開いたあと、嬉しそうにうなずいた。
そ
の顔、いいね
(クロームは笑っているほうが似合ってるよ?)
(・・・・じゃぁ、ずっと私と一緒にいて。)
(ず、ずっと!?)
next
若干GL・・・・・?ギリですよ、ね!