「雲雀さん、ちょっとよろしいでしょうか?」


担任の先生の声に、私は振り返った。






「保健・・・・委員ですか?」

「そうなんですよ。このクラスは人数の関係上誰も入っていなくて・・・・・」


そういえば私は委員会に入っていない。
転校した身だし、しかたないけど。


「あ、大丈夫ですよ。保健委員会やります。」

「!!それは助かります!ありがとうございます!!
 では早速、今日の放課後保健室へ行ってください。」


担任は何度も何度も何度も私にお辞儀をして(頭痛くならないのかな?)
そそくさと去っていった。





***







「それでは、また明日。」

先生の言葉と同時に騒がしくなる教室。
次々と部活やら塾やらで出て行く生徒。


「山本部活?」

「おう!だから、わりーけど先帰ってくんね?」

「言われなくてもそうするぜ。」

「ご、獄寺君・・・・!」

「ははは、分かってくれて助かるぜ獄寺!!」


私の視界の端で、そんな話をしている3人、山本君、獄寺君、沢田君。
なんかあの人たちの会話って、面白いな。
しばらく聞いていようかな・・・・・?

いや、駄目駄目!この後委員会があるんだもん!
私はいきおいよく立ち上がると、鞄を掴んで保健室へと向かう。


「お!雲雀また明日な〜!」


山本君の声で振り返ると、彼がニコニコ手を振ってきた。
横の獄寺君はこちらも見もしなくて(なんだよ)
沢田君は何故か目を逸らしている。


「うん、また明日ね!」


でも、一応3人全員には挨拶をした。
なんか、悲しいね。





***





「ここが、保健室か・・・・・。」


扉の向こうから声がする。
もう皆集まっているのかな??

私は慌てて戸を開けた。


ガラッ


「遅れました!!」





・・・・・・。






「あれ・・・・・?」
(男ばっかり・・・・・・・。)

「おっ♪新人さんは女の子なのか〜!!」

声のほうを見ると、白衣を着た、くせっ毛のおじさんがいた。
なんでだろう、彼の目の色がピンクに見える・・・・・。
唖然としている私にかまわずおじさんは続ける。


「これで、むさくるしい男だけの委員会におさらばだな!!
 可憐な花がやってきてくれたしな!!」

















ちょ、待って

(「あの委員会は女の子が嫌がる委員会だ」と)
(「よく入ったね、神だよ」と、)
(保健委員になった私に、人々は言った)













next