俺は夕焼けに染まった廊下をダラダラと歩いていた。

目指すは、保健室。





***






10代目は今、補習により勉学に励んでおられる。
・・・・・・・・・・・・・・・野球馬鹿も、だったな。

俺は一緒に帰るために「10代目を」待つのだが、その間どうも暇だ。
図書室に行っても爆弾の本はないし、他の本も見る気がしない。
だから、仕方なく保健室に行くことにした。



ガララッ


「お?・・・・なーんだ、隼人かよ。」
「誰だと思ったんだよ。」


別に〜と、シャマルは机に突っ伏している。
なんなんだ。


「・・・・んで、どーしたんだよ?・・・あ、男は診ねぇからな。」
「暇つぶしに来ただけだ。ベッド借りるぜ。」


そういって、俺はアイツの許可なしにベッドにダイブした。
学校のベッドは硬いんだよなぁ・・・・・。






ガラッ


「シャマル先生!遅くなりました!!」


俺がダイブして目を閉じた後、誰かが保健室に入ってきた。
声からして・・・・女?足音からして、一人。
(もっと危機感持てねぇのかよ!相手はシャマルだぜ!?)

学校内でもシャマルのヤバさは知れ渡ってる。特に、女子には。
なのにコイツ・・・・馬鹿か?


「お〜〜〜来てくれたんだねちゃん!!
 遅くなったから心配したよ。」

(・・・?)


どっかで聞いたことあると思ったら、先日転校してきた雲雀の妹じゃねぇか。


「・・・あれ?誰か寝ているんですか?」
「あぁ、そうなんだよ〜。」


突然の話の切り替えにドキッとした。
俺が寝てんだよ、わりぃか。


「じゃぁ、ちゃんとカーテン閉めないと駄目ですよ? 
 他の人に見られてると、安心して寝れないものです。」


雲雀の
妹は、俺に気を使っているのか
ヒソヒソ声で話しながら、カーテンを静かに閉める。

気遣いはまぁまぁ良いじゃねぇか。
こいつ、本当にアイツの妹か??
笹川のこともあるし、兄妹って謎だ。


ちゃん、いい子だね。」
「そんなこと無いですよ!!それ
で、仕事ってなんですか?
「えーと・・・・・この書類を職員室まで運んで欲しいんだけど、大丈夫?
 終わったらそのまま帰っちゃって大丈夫だから。」
「はい!持って行きますね!じゃぁ、さようなら。」


変な人に会わないようにな〜
とシャマルが言うと、彼女はお礼を言いながら部屋を後にした。


・・・・・・・・・?
・・・・・あれ?



「おい シャマル。」
「?んだよ。」

俺は体を起こし、カーテンを引いてシャマルをにらんだ。


「お前、いつも所かまわず女にちょっかい出すのに、
 なんであの女には何もしないんだ?」


シャマルが彼女にセクハラするタイミングなんかいくらでもあったし、
実際、さっきと同じシチュエーションでそれをした事がある。


「わかってないなぁお前。」
「・・・・なっ」



「大切な子ほど、大切にしたくなるものだ。」


・・・・・・・・。



「俺の勘が言ってるんだ。俺の未来のためにも、
 『あの子を守るべきだ』ってな。」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



「んなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!?????」
「反応おせ−よ。」


な、な、ななな・・・・・・
シャマル、それって・・・・


「はっ、犯罪だぞ!!!!お前、援助交際でも望んでんのか!!!!!」


つーか、お前ら・・・・・親と子供くらいの年齢差だぞ!!!!
しかも、雲雀の妹だぞ!!!!


「ばーか。それが恋愛だなんて言ってねーだろ。
 親が子を見る感覚とか、そんなもんだ。
 これだから中坊は・・・・・・・。」








ま、いつラブになるかなんて、わかんねぇけどな。







最後らへんでそう小さく呟いた、
この変態スケコマシ野郎の危険を、俺は改めて感じだ。

そして、そのターゲットである雲雀の妹、雲雀




微かなる同情の思いを感じてしまった。




















絶対有罪!
(俺らしくねぇけど、)
、助けてやろう。)

(・・・・変態野郎の魔の手から)
















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