雲雀さんの妹が、ヒバードを乗せて校舎を巡っていた。
なんか、不思議な感じだね。
***
「獄寺君、山本、帰ろう?」
「わりーツナ、今日も部活があって・・・・」
「あ、そうか・・・・。部活頑張ってね!!」
「おう!じゃーなツナ!獄寺!!」
山本は、鞄を肩にかけて足取り軽く走っていった。
通りすがりの女の子が、そんな彼を見て黄色い声を上げていた。
モテモテだなぁ。
「じゃぁ2人で帰ろうか!獄寺君!」
「はい!・・・と、言いたいのですが・・・シャマルに呼ばれてて、
『来ないと過去の秘密を放送でバラす』とか脅してきやがって・・・・・」
「うわぁ・・・・・それは一大事だね。
・・・・・・じゃぁ、俺一人で帰ろうか?」
「すいません!俺・・・・右腕失格です!!」
「いや、そんなことは・・・・・」
その後、獄寺君の土下座を止めるのに時間がかかった。
(彼、かっこいい顔を赤いおでこで台無しにしてたよ。)
(それでもカッコいいって、本当に羨ましい。)
今日は家帰ってからCDショップ行こうと思ってたし・・・
帰りのついでに寄っちゃうか。
久々のひとり帰りに、ほんの少しの寂しさと開放感があった。
はずなのに。
「おいおい、この制服並盛中じゃね?」
「うへ〜・・・マジだ!!」
「並盛って言ったら、あの最強風紀委員のいるとこじゃ・・・」
「マジかよ!!!ちょうど俺等『最強の座』欲しかったしさ〜・・」
「コイツ使って宣戦布告しに行こうぜ?」
「ナイスナイス!!それいけんじゃね?」
(何でこんな時に他校の不良さんに絡まれるわけーーーーー!!!???)
6〜7人のかなり強そうな不良の真ん中に・・・・・俺、沢田綱吉。
いや、真ん中って言っても・・・・・不良リーダーとかじゃなくて。
場所は人気の少ない空き地。
俺は今、思い切り縛られてて、おまけに暴れちゃったから(逃げようとして)
ボコボコにやられた。顔、大丈夫かな?
(カッコいい顔なら心配もしないのに。うわぁ虚しい・・・・。)
口から血の味がする、かなりヤバイと思うこの状況。
おまけに恐怖で喋れない。
俺、最悪じゃん。
(こうなるんだったら、一人で帰らないで
獄寺君と山本を待ってれば良かった!!!)
こんなときにリボーンも来ないし!
誰か、助けてよォォォォォ!!!!
もう駄目なのかな
(どうでもいいときに現れてくる奴等は)
(肝心な時に来ないのはなんで!?)
(もうちょっとありがちなストーリー展開でいこうよ!!!!!)
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