「あぁ・・・・・・」


ひとり机の上で嘆く。
側のコップにはもう何も入っていないのに、何度も何度も確認してしまう。


やはり、何もはいっていない。









1 勉強がはかどりません。











私は 。俗に言う学生である。
学生というものは、青春したり、友達とけんかもして、仲直りもして・・・・っていう
まさに「思春期」な時期であると同時に・・・・・


「勉強なんて、誰がかんがえたの・・・・・・?」


勉強をしなくてはいけない時期。
受験受験の、受験地獄だ。

親に苦労をかけるわけにもいかないので、必死に勉強をしようとする私。
しかし、やる気というか・・・・・・・頑張ろうにも、やる気がしない。


そして、気分転換に意味もなく漫画を読んだり、テレビを見たり、音楽を聴いたり、ネットを開いたり・・・・・
後悔するとわかっていても、体というかすべてが勉強を拒む。


私の個人的な気分転換は、「ブレイブストーリー」という映画や、小説を読むこと。
主人公の三谷亘や、なぞの転校生の芦川美鶴が結構好きで、何度も読み返してしまう。
「いいな・・・」と思う。


しかし、私がもし幻界にいったら、役に立たず、しかもダイモン司教に捕まり殺されておしまいだと思う。
仮に助かっても、年下の亘に助けを求めるのも・・・・・ねぇ?


ガラッ


。あんたまたニヤニヤしてるわよ。気持ち悪い・・・・・。」

「うわっ!?お母さん!!入るならノックしてよ!!」

「したわよ、あんたが気付かなかったのが悪い。」

「うう・・・・・。」

「・・・・・テキスト、さっき飲み物渡しに来たときから進んでないわね。」

「・・・・・うん。」

「・・・・風呂、はいりなさいね。」



そして母は、ため息をついて部屋から出て行った。



「・・・・・なんで、勉強する気しないのかな・・・・私・・・・・。」



私の声が、むなしく部屋に響いた。




***




「ふぃ〜・・・・・・」


やっぱり風呂はいいね〜。なんて、少し中年っぽいかな?


(もしかしたら、勉強環境が悪いのかもね・・・・・)


妨害してくるきょうだいもいるし、夜にはすぐそこの道路で暴走族がうるさいし。
隣にすんでる若者(あ、私もか)の聞く音楽が響く。


「はぁ・・・・『 を遠くへ連れてって?』みたいな・・・・・・なんてね。」


自分で言って恥ずかしくなり、私は顔の半分を湯船に沈めた。


切ない沈黙。




「あ゛ーーーーーーー・・・・・・」





暇で仕方がないので、水を何度かすくってみる。つまんねぇ。
にしても、今日の湯はキラキラしてんな〜・・・・ん?



「キラキラしすぎだろ・・・・・・これは。」


煌びやかな風呂。まるでライブか宝石屋のようだ。



スッ



「っ!!??」




突然、湯船のそこがなくなった。
下は真っ暗だ。

そして、私は落下した。


「うそっ・・・・・え、ちょ、ぎゃあああああああああ!!!!」





せめて、女らしくさけぼうよ私。






***





バッシャーーーーーン!!!!



突然、お湯が元に戻った。
ただ、しりが痛い。

(・・・・最近疲れてるのかな?)


盛大に湯をバッシャンバッシャンしたからか、湯煙がすごい。

(・・・・・・ん?)




湯煙の向こうから、人影が見えた。






「え。」







体中泡だらけの亘がそこに座っていた。























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